捕えられて殺されようとする者を救い出し、虐殺されようとする貧困者を助け出せ。 もしあなたが、「私たちはそのことを知らなかった。」と言っても、人の心を評価する方は、それを見抜いておられないだろうか。あなたのたましいを見守る方は、それを知らないだろうか。この方はおのおの、人の行ないに応じて報いないだろうか。

マルコによる福音書　１章１６節から１８節。

ガリラヤ湖のほとりを通られると、シモンとシモンの兄弟アンデレが湖で網を打っているのをご覧になった。彼らは漁師であった。イエスは彼らに言われた。「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしてあげよう。」すると、すぐに、彼らは網を捨て置いて従った。

今度の地震のことも、日本人よりもドイツ人のほうが心配しているのです。以前から、家内の妹や、ローゼさんたちからファックスが入ったり、電話が入ったりしています。「今度、東京に大地震が起こるそうです。どうですか。云々」と。（笑）５０年前にも同じ話があったのです。「今度こそ来る」と。確かに現実を見ると、毎日起こりうることだそうです。けれどもそれは、ある意味で全部主のせいでしょう。
放蕩息子はどうして帰ったのでしょうか。飢饉があったからです。この放蕩息子が悔い
改めるために飢饉が起こったのです。主イエス様は、やっぱりこの放蕩息子も大切にしてくださったのです。
使徒行伝１６章に出て来る地震もあるのですね。どうして地震があったのでしょうか。　結局、あの管理人が救われるためです。やっぱり偶然はひとつもないのです。
ですから私たちは、確信することができるのは幸せです。すなわち、「主は、王であり、支配しておられるお方です」。「この主は、人間のことが大好きなのです」。それもピンと来ないことで、考えられませんが、イエス様の身代わりの死こそが、その証拠なるものです。

私たちのテーマは、『いかにして主イエス様のためにたましいを獲得することができるか』です。今読んでいただきました箇所の中で、「イエスは彼らに言われた。『わたしにつ
いて来なさい。人間をとる漁師にしてあげよう。』」と。主はなさりたいのです。

イエス様は当時、弟子ひとりひとりのことを祈りながら考えられ、ひとりひとりをご覧になったと思われます。そして、イエス様はペテロをご覧になったのでしょう。
ペテロは、二つの名前を持っていたのです。古い名前と新しい名前です。新しい名前はイエス様によって付けられた「ペテロ」という名前でした。彼の本当の名前は、「シモン」でしたが、シモンは、決して大したものではなかったのです。自信に満ちてはいましたけれど、本当はどうしようもない臆病者で、小心者でした。このシモンは、十字架に付けられる主イエス様を、鶏が鳴く前に三度も否定してしまったのです。三年半の間、イエス様と一緒に生活した男が、「自分には何も分からない。イエスという人を、まったく知らない」と言ったのです。考えられないほど信頼できない男だったのではないでしょうか。

けれどもこのペテロという男は、やっぱり用いられる器となったのです。五旬節のとき、
彼はイエス様のことを紹介しました。彼の話から分かります。彼の話したことの内容は、旧約聖書から引用されたみことばです。そして主は、ペテロを通して働いてくださり、三千人が、その日のうちに悔い改めるようになり、救われるようになり、信仰のおおやけの証しとして、水のバプテスマを受けたのです。その後で、男だけで五千人が導かれました。言うまでもなく、その中心人物は、ペテロでした。
結局、イエス様が最初にご覧になったときのペテロではなく、悔い改めた後での、用いられるペテロとして、ご覧になったのです。そしてこのイエス様は、当然、私たちひとりひとりをも見ていてくださるのです。
私たちが良い人であろうが、悪い人であろうが、適当な人であろうが、不適当な人であろ
うが、まったく関係なく、イエス様は、「わたしについて来なさい。あなたを人間をとる漁
師にしてあげよう」と言われたのです。

もちろん未信者の中にはいろいろな人間がいます。今まで学んだのは、無関心で冷淡な人々、あるいは疑っている人々、間違った望みを抱いている人々、そういう人々にいかに対応したらよいかということです。

今日は、『いかにして、これから先のことを思い煩っている人々に対応するべきか』ということです。
人はいろいろなことを言います。例えば、「私はもうダメ。非常に大きな罪人だからです」と。罪人だということを認めている人は、すでに聖霊の働きのもとにあります。ですから、その人が罪人ではないなどと言って、誤った慰めのことばを語るのは、まったく良くない、非聖書的なことです。重い軽いにしろ罪は罪です。もし御霊が罪を認めさせると、軽い罪もまた、山のような重荷となります。「イエス様は限りなく罪深い者のために死なれた」ということを、まず示すべきではないでしょうか。例えば、ローマ書は、非常に適当だと思います。
ローマ人への手紙　５章の６節

私たちがまだ弱かったとき、キリストは定められた時に、不敬虔な者のために死んでくださいました。

８節

しかし私たちがまだ罪人であったとき、キリストが私たちのために死んでくださったことにより、神は私たちに対するご自身の愛を明らかにしておられます。

１０節

もし敵であった私たちが、御子の死によって神と和解させられたのなら、和解させられた私たちが、彼のいのちによって救いにあずかるのは、なおさらのことです。

主は、人間がひとりもいなかったとき、すでに、「全人類のために犠牲になる」と決心し
てくださったと、聖書は言っています。
パウロの証しもよく知られています。
テモテへの手紙・第一　１章１５節

「キリスト･イエスは、罪人を救うためにこの世に来られた。」ということばは、まことであり、そのまま受け入れるに値するものです。私はその罪人のかしらです。

「一番ひどいのはこの私です」と。パウロはそう言っただけではなく、「私はあわれみを受けた。主はあわれんでくださったから、救われた」と言って、喜びの声を上げることができたのです。イエス様は病人の医者であり、健康な人の医者ではありません。「イエス様は正しい人のためではなく、罪人のために死なれた」と、聖書は何回も繰り返し語っているのです。
ルカの福音書　５章３１、３２節

そこで、イエスは答えて言われた。「医者を必要とするのは丈夫な者ではなく、病人です。わたしは正しい人を招くためではなく、罪人を招いて、悔い改めさせるために来たのです。」

１９章１０節

「人の子は、失われた人を捜して救うために来たのです。」

つまりイエス様は、罪人のために犠牲になられたのです。
イザヤ書1章１８節は、非常に素晴らしいみことばです。「自分はひどい罪人であるから、
考えられない罪を犯したから、どうしよう」と考える人もいますけれども、そういう人々に、このみことばを読んでいただいたら、非常に良いと思います。
イザヤ書　１章１８節

「さあ、来たれ。論じ合おう。」と主は仰せられる。「たとい、あなたがたの罪が緋のように赤くても、雪のように白くなる。たとい、紅のように赤くても、羊の毛のようになる。」

２６００年前に、主はこのように言われただけではなく、今日もそうおっしゃっておられます。想像できない、考えられないことです。けれども、聖書はそう語っているのですから、間違いなくそうなのです。
ヨハネの福音書　６章３７節

「父がわたしにお与えになる者はみな、わたしのところに来ます。そしてわたしのところに来る者を、わたしは決して捨てません。」

へりくだる者は必ず受け入れられます。一時的だけではなく、永久に、です。
３章１６節

神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。

人間ひとりひとりを愛されたその証拠は、死に渡された主イエス様です。父なる神様が、どうして主イエス様を与えられたかと言いますと、
１６節後半

それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちをもつためである。

確かに、多くの人々は、「私は非常に大きな罪人です」と言うのですけれど、へりくだればＯＫ。へりくだれば主は恵んでくださるのです。

また、他のある人々は、「私はもう失われています。希望がありません」と言うのです。そういう人々には、放蕩息子の話をしても良いのではないでしょうか。
ルカの福音書　１５章１１節から１３節前半。

またこう話された。「ある人に息子がふたりあった。弟が父に、『おとうさん。私に財産の分け前を下さい。』と言った。それで父は、身代をふたりに分けてやった。それから、幾日もたたぬうちに、弟は、何もかもまとめて遠い国に旅立った。

放蕩息子は、隣の村ではなく隣の国でもない、遠い国に旅立ったから安全だと思ったことでしょう。親と縁を切ると幸せになると思ったことでしょう。
１３節後半から１４節

そして、そこで放蕩して湯水のように財産を使ってしまった。 何もかも使い果たしたあとで、その国に大ききんが起こり、彼は食べるにも困り始めた。

「大飢饉が起こり」、これは偶然ではなかったのです。
１５節から１９節

それで、その国のある人のもとに身を寄せたところ、その人は彼を畑にやって、豚の世話をさせた。彼は豚の食べるいなご豆で腹を満たしたいほどであったが、だれひとり彼に与えようとはしなかった。しかし、我に返ったとき彼は、こう言った。『父のところには、パンのあり余っている雇い人が大ぜいいるではないか。それなのに、私はここで、飢え死にしそうだ。立って、父のところに行って、こう言おう。「おとうさん。私は天に対して罪を犯し、またあなたの前に罪を犯しました。もう私は、あなたの子と呼ばれる資格はありません。雇い人のひとりにしてください。」』

彼はこのように思ったのですけれど、最終的に、父と会ったときには何も言えなくなりました。父に抱きしめられて接吻されてしまったのです。
２０節から２１節

こうして彼は立ち上がって、自分の父のもとに行った。ところが、まだ家までは遠かったのに、父親は彼を見つけ、かわいそうに思い、走り寄って彼を抱き、口づけした。息子は言った。『おとうさん。私は天に対して罪を犯し、またあなたの前に罪を犯しました。もう私は、あなたの子と呼ばれる資格はありません。』

「召使いにして下さい」とも、書いていないのです。
２２節から２４節

ところが父親は、しもべたちに言った。『急いで一番良い着物を持って来て、この子に着せなさい。それから、手に指輪をはめさせ、足にくつをはかせなさい。 そして肥えた子牛を引いて来てほふりなさい。食べて祝おうではないか。この息子は、死んでいたのが生き返り、いなくなっていたのが見つかったのだから。』そして彼らは祝宴を始めた。

「急いで」、「早く、早く」と。確かにこの放蕩息子は失われていたのです。

『いかにしてこれから先のことを思い煩っている人々に対応するべきでしょうか』。
今話したように、
・ある人は、「私は非常に大きな罪人です」と言い、
・別の人は、「私はもうダメ。失われている」と言うかも知れません。

・そして、まだほかの種類の人々もいます。彼らは何を認めざるを得ないかと言いますと、「私は人殺しです」と言うことをです。
このような人はどこの国にもたくさんいます。まだ芽の出ない命をなきものにする男女がたくさんいます。このような人が自分の罪の大きさを認めた場合、たいてい絶望感が大きく襲ってきます。このような人々にさえも、救いの道が開かれているのでしょうか。

ダビデの証しを読むと分かります。彼は次のように祈ったのです。心から祈り、叫んだのです。
詩篇　５１篇１４節

神よ。私の救いの神よ。血の罪から私を救い出してください。そうすれば、私の舌は、あなたの義を、高らかに歌うでしょう。

詩篇　３２篇５節。同じく、ダビデは告白し、あかしすることができたのです。

私は、自分の罪を、あなたに知らせ、私の咎を隠しませんでした。私は申しました。「私のそむきの罪を主に告白しよう。」すると、あなたは私の罪のとがめを赦されました。

「赦された！」という確信こそが、すばらしいのではないでしょうか。ダビデは、主はどのように赦してくださるのかについて、書いたのです。
詩篇　１０３篇１０節から１２節

私たちの罪にしたがって私たちを扱うことをせず、私たちの咎にしたがって私たちに報いることもない。天が地上はるかに高いように、御恵みは、主を恐れる者の上に大きい。東が西から遠く離れているように、私たちのそむきの罪を私たちから遠く離される。

意味は、主は、犯した罪を赦してくださるだけではなく、お忘れになってくださる。犯さなかったかのようになさるということです。義と認められることとはそういうことです。
どうしてできるのでしょうか。答えは、ヨハネ第一の手紙の１章７節です。よく知られている素晴らしい箇所です。
ヨハネの手紙・第一　１章７節

しかし、もし神が光の中におられるように、私たちも光の中を歩んでいるなら、私たちは互いに交わりを保ち、御子イエスの血はすべての罪から私たちをきよめます。

ここに、「すべて」と書いてあります。無意識のうちに犯した罪も全部含まれています。どうして赦されるのでしょうか。ここには、「主イエスの血のゆえに赦される」とあります。

イザヤ書の４４章２２節のみことばもやっぱり、求めている人々に教えてあげることができるのは素晴らしい特権です。主の呼びかけは、
イザヤ書　４４章２２節

「わたしは、あなたのそむきの罪を雲のように、あなたの罪をかすみのようにぬぐい去った。わたしに帰れ。わたしは、あなたを贖ったからだ。」

・ また、別の人々は次のようなことを言います。「救われる前に、イエス様のところへ行く前に、自分を改良しなければならないのではないか」と。
患者は良くなってから、お医者の助けを呼ぶかどうかを、そういう人々に尋ねたら良いの
です。イエス様は言われました。
ルカの福音書　５章３１節

「医者を必要とするのは丈夫な者ではなく、病人です。わたしは正しい人を招くためではなく、罪人を招いて、悔い改めさせるために来たのです。」

イエス様のところに行く前に、まず自分を良くしなければならないと思っている人は、罪
が何であるかをまだ知らないのです。自分を良くするという努力のむなしいことを教えて
あげなさい。
エレミヤ書　２章２２節

たとい、あなたがソーダで身を洗い、たくさんの灰汁を使っても、あなたの咎は、わたしの前では汚れている。―神である主の御告げ。―

エレミヤ書　１３章２３節

クシュ人がその皮膚を、ひょうがその斑点を、変えることができようか。もしできたら、悪に慣れたあなたがたでも、善を行なうことができるだろう。

とあります。放蕩息子は、自分の父親のところに行く前に自分を良くしようと思うほど愚
かではありませんでした。それどころか、放蕩息子はボロボロの状態で父の前に歩み出た
のでした。父は彼を腕に抱きしめたのでした。

また、ルカ伝１８章の取税人の話を読んでも、まことの救いを求める人のために読むのは非常に素晴らしい箇所です。
ルカの福音書　１８章９節から１４節

自分を義人だと自任し、他の人々を見下している者たちに対しては、イエスはこのようなたとえを話された。「ふたりの人が、祈るために宮に上った。ひとりはパリサイ人で、もうひとりは取税人であった。パリサイ人は、立って、心の中でこんな祈りをした。『神よ。私はほかの人々のようにゆする者、不正な者、姦淫する者ではなく、ことにこの取税人のようではないことを、感謝します。私は週に二度断食し、自分の受けるものはみな、その十分の一をささげております。』ところが、取税人は遠く離れて立ち、目を天に向けようともせず、自分の胸をたたいて言った。『神さま。こんな罪人の私をあわれんでください。』あなたがたに言うが、この人が、義と認められて家に帰りました。なぜなら、だれでも自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高くされるからです。」

結局、へりくだればＯＫ。
パリサイ人は、自分自身を自分でよくする途中にあり、主なる神の御前にその機会を持
っていると信じている人間に属しています。これに対し、取税人は、自分で自分を良くしようとは思いませんでした。彼はありのままで主に身を任せたので、義とされ、喜んで、罪から解放された者として家に帰ることができたのです。

『いかにしてこれから先のことを思い煩っている人々に対応するべきでしょうか』
・次のグループは、「私は悪い道を捨てるにはあまりにもしっかりとしばられている」と。
回心するか、さもなくば永遠に滅びるか、二つに一つだということを、はっきりと教えてあげましょう。聖書はそう言っていますから。
ヨハネの福音書　３章３６節

御子を信じる者は永遠のいのちを持つが、御子に聞き従わない者は、いのちを見ることがなく、神の怒りがその上にとどまる。

「御子に聞き従わない者」、結局、従いたくない者です。永遠のいのちを得る者もいるし、
滅びる者もいるとあります。
ガラテヤ人への手紙　６章７節、８節

思い違いをしてはいけません。神は侮られるような方ではありません。人は種を蒔けば、その刈り取りもすることになります。自分の肉のために蒔く者は、肉から滅びを刈り取り、御霊のために蒔く者は、御霊から永遠のいのちを刈り取るのです。

すなわち、「自分の肉に蒔く者は、肉から滅びを刈り取り、霊に蒔く者は、霊から永遠のい
のちを刈り取る」と書いてあります。ローマ書６章の中でも、同じ事実が書き記されています。
ローマ人への手紙　６章２３節

罪から来る報酬は死です。しかし、神の下さる賜物は、私たちの主キリスト･イエスにある永遠のいのちです。

死か、永遠のいのちかのどちらかです。
ローマ人への手紙　２章の８節、９節

党派心を持ち、真理に従わないで不義に従う者には、怒りと憤りを下されるのです。患難と苦悩とは、ユダヤ人をはじめギリシヤ人にも、悪を行なうすべての者の上に下る。

とあります。どのような罪人であっても、真理に従いたいと思えばできるのであり、それは自分の力ではなく、イエス様に頼ることによってできるのだということを、教えてあげるべきです。諦める必要はありません。
例えば、ピリピ人への手紙の４章の１３節を見ると、パウロは当時ローマの刑務所に入っていたのですけれども、彼は考えられないほどのすばらしい事実について書いたのです。
ピリピ人への手紙　４章１３節

私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです。

「私はできるようになった」ではない。パウロそのものは、相変わらず弱くて、惨めで、どうしようもない者でした。けれども彼は主に頼るようになったのです。結果として、自分を強くしてくださる方によって、可能になったのです。

イエス様は、次のように約束してくださいました。
ヨハネの福音書　８章３６節

ですから、もし子があなたがたを自由にするなら、あなたがたはほんとうに自由なのです。

「子が」、すなわち、「わたしがあなたがたを自由にするなら」と。イエス様はそのことがおできになります。

ヘブル書の著者は、次のように書いたのです。
ヘブル人への手紙　７章２５節

したがって、ご自分によって神に近づく人々を、完全に救うことがおできになります。キリストはいつも生きていて、彼らのために、とりなしをしておられるからです。

もちろんイエス様に近づく人々にだけです。近づこうとしなければ、頭を下げたくなければ、自由になることはできません。しかしイエス様は完全に救うことがおできになります。
　
勝利への道とは何なのでしょうか。ローマ書６章の１２節から読むと、次のように書き
記されています。
ローマ人への手紙　６章の１２節から１４節

ですから、あなたがたの死ぬべきからだを罪の支配にゆだねて、その情欲に従ってはいけません。また、あなたがたの手足を不義の器として罪にささげてはいけません。むしろ、死者の中から生かされた者として、あなたがた自身とその手足を義の器として神にささげなさい。というのは、罪はあなたがたを支配することがないからです。なぜなら、あなたがたは律法の下にはなく、恵みの下にあるからです。

また、勝利の秘訣について、ヨハネも次のように書いたのです。
ヨハネの手紙・第一　５章４節、５節

なぜなら、神によって生まれた者はみな、世に勝つからです。私たちの信仰、これこそ、世に打ち勝った勝利です。世に勝つ者とはだれでしょう。イエスを神の御子と信じる者ではありませんか。

信仰とは、ある教えを信じ込むことではなく、イエス様とつながっていることです。
勝利者なるイエス様とつながっていれば、可能となるのです。

『いかにしてこれから先のことを思い煩っている人々と対応するべきでしょうか』
確かに、今学んだように、
・私は非常に大きな罪人です。・もう失われている。・人殺しです。・救われる前に、イエス様のところに行く前に自分を改良しなくてはいけないなのではないだろうか。・私は悪い道を捨てるにはあまりにもしっかりとしばられている。…と思う人もいるのです。

・次に、「私はもうすでにこれを試みたけれど、また脱落してしまった」と言う人がいます。
まず、脱落した人がイエス様に従うことを実際に試みたかどうかです。すなわち、その人が回心を経験したかどうか確かめることが大切でしょう。
まだ回心していなかったなら、この道を教えてあげなさい。もし回心したのなら、負けた原因を探さなければなりません。

ですから、次の質問について考えるべきでしょう。
�@　まず、自分は罪を完全に打ち砕いているのかどうかと考えるべきです。
ヨハネの手紙・第一　２章１５節、１６節

世をも、世にあるものをも、愛してはなりません。もしだれでも世を愛しているなら、その人のうちに御父を愛する愛はありません。すべての世にあるもの、すなわち、肉の欲、目の欲、暮らし向きの自慢などは、御父から出たものではなく、この世から出たものだからです。

イエス様も同じように厳しく言われました。マタイ伝の５章。いわゆる「山上の垂訓」
の中のみことばです。
マタイの福音書　５章２９節、３０節

もし、右の目が、あなたをつまずかせるなら、えぐり出して、捨ててしまいなさい。からだの一部を失っても、からだ全体ゲヘナに投げ込まれるよりは、よいからです。もし、右の手があなたをつまずかせるなら、切って、捨ててしまいなさい。からだの一部を失っても、からだ全体ゲヘナに落ちるよりは、よいからです。

聖書の中で二つのことばが使われています。「ハデス」と「ゲヘナ」です。ハデスとは死者の国です。ゲヘナは地獄です。だから、パウロはローマにいる人々に書きました。
ローマ人への手紙　６章１２節

ですから、あなたがたの死ぬべきからだを罪の支配にゆだねて、その情欲に従ってはいけません。

�A　それから、自分をイエス様に完全にゆだねていたかどうかと考えるべきです。
ローマ人への手紙　１２章１節、２節

そういうわけですから、兄弟たち。私は、神のあわれみのゆえに、あなたがたにお願いします。あなたがたのからだを、神に受け入れられる、聖い、生きた供え物としてささげなさい。それこそ、あなたがたの霊的な礼拝です。この世と調子を合わせてはいけません。いや、むしろ、神のみこころは何か、すなわち、何が良いことで、神に受け入れられ、完全であるのかをわきまえ知るために、心の一新によって自分を変えなさい。

「私はすでに試みたけれどうまくいかなかった」。いったいどうしてでしょうか。
自分は罪を完全に打ち砕いていなかったかもしれません。また、自分をイエス様に完全にゆだねなかったかもしれないのです。

�B 救われていない友だちに対して無関心であり、また、この世と妥協してしまったか
も知れないと考えるべきです。妥協は例外なく敗北をもたらします。イエス様は、
マタイの福音書　６章２４節

だれも、ふたりの主人に仕えることはできません。一方を憎んで他方を愛したり、一方を重んじて他方を軽んじたりするからです。あなたがたは、神にも仕え、また富にも仕えるということはできません。

マタイの福音書　１０章３７節

わたしよりも父や母を愛する者は、わたしにふさわしい者ではありません。また、わたしよりも息子や娘を愛する者は、わたしにふさわしい者ではありません。自分の十字架を負ってわたしについて来ない者は、わたしにふさわしい者ではありません。自分のいのちを自分のものとした者はそれを失い、わたしのために自分のいのちを失った者は、それを自分のものとします。

�C　人々の前でイエス様を証ししたかどうかということも、考えるべき理由です。
イエス様に従っている者はイエス様を紹介します。光のあるところ、そこは明るいので
す。一文章だけですけれど、
ルカの福音書　１２章３５節

腰に帯を締め、あかりをともしていなさい。

ルカの福音書　８章１６節

あかりをつけてから、それを器で隠したり、寝台の下に置いたりする者はありません。燭台の上に置きます。はいって来る人々に、その光が見えるためです。

マタイの福音書　１０章３２節

ですから、わたしを人の前で認める者はみな、わたしも、天におられるわたしの父の前でその人を認めます。しかし、人の前でわたしを知らないと言うような者なら、わたしも天におられるわたしの父の前で、そんな者は知らないと言います。

「私はイエス様を知らない」と言うならば、もうおしまいです。ですからパウロは、
ローマ人への手紙　１０章１０節

人は心に信じて義と認められ、口で告白して救われるのです。

�D　毎日飢え渇きを持ってみことばを読み、また自分のものにしたのでしょうか。
みことばは日々の力を与えます。たましいの満たされていない人は、悪魔の手玉になっ
てしまいます。詩篇の作者であるダビデは、みことばをほんとうに大切にした男でした。
彼は言ったのです。
詩篇　１１９篇１０５節

あなたのみことばは、私の足のともしび、私の道の光です。

結局、「あなたのみことばは私にとってすべてです」と。
１１節

あなたに罪を犯さないため、私は、あなたのことばを心にたくわえました。

とダビデは告白したのです。使徒たちはみな、みことばの大切さを強調したのです。もちろん未信者が救われるためではない。すでに主の恵みによって救われた人々のためにです。信者もやはりみことばに頼らないと、悪魔に負けます。

以前は、魚だけをとる漁師であったペテロは、人間をとる漁師になったのですけれど、
彼は書いたのです。
ペテロの手紙・第一　２章２節

生まれたばかりの乳飲み子のように、純粋な、みことばの乳を慕い求めなさい。それによって成長し、救いを得るためです。

また、パウロは告白したのです。
ローマ人への手紙　１章１６節

私は福音を恥とは思いません。福音は、ユダヤ人をはじめギリシヤ人にも、信じるすべての人にとって、救いを得させる神の力です。

みことばは、単なる教えではなく、救いを得させる力そのものです。

今現在もバンクーバーに住んでいる姉妹で、知っている方々もおいでになるかもしれませんが、何年か前に、彼女から手紙をもらったことがあります。この手紙をもらったとき、ほんとうに感謝しました。部分的に紹介します。彼女は、まずやはり、みことばを書いたのです。
詩篇　１９篇１２節

だれが自分の数々のあやまちを悟ることができましょう。どうか、隠れている私の罪をお赦しください。

…また、犯している罪を思うと、心が重くなりました。どうしても自分の感情で接してしまう、この主が与えてくださったこの子どもが、こんな罪人の私と一緒にいて、真っ直ぐに主の道を歩んで行けるのかどうかと考えたりもしました。でも今日、テープを聴いて聖書を開いたら、心が楽になりました。すべてを主に渡して、主にゆだねたからです。…

「聖書を開いて、心が楽になった」と。「すべてを主に渡して、主にゆだねたから」と。
彼女は、またみことばを引用して、
出エジプト記　１５章２６節

わたしは主、あなたをいやす者である。

…この頃はできるだけたくさん主イエス様からの喜びをいただこうと、聖書をいつもテー
ブルの上に置き、座るたびに開いて、みことばを食べています。…

「勉強しています」ではなく、「理解しようと努力しています」でもありません。「食べています」とあります。
彼女は、また、みことばを引用しているのです。
申命記　４章７節

まことに、私たちの神、主は、私たちが呼ばわるとき、いつも、近くにおられる。

祈ると、主は聞いてくださる。

もう一箇所、
コリント人への手紙・第二　４章１１節

私たち生きている者は、イエスのために絶えず死に渡されていますが、それは、イエスのいのちが私たちの死ぬべき肉体において明らかに示されるためなのです。

そして、彼女の最後の文章が一番いいかもしれません。
…私はイエス様が大好きです。…

結局、聖書を読むと、イエス様をよりよく知るようになり、心から愛するようになるに違いありません。